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Sさんが選んだ道は正解だったと思います。歩きはじめた頃、若いカップルに抜かれた他、もう一組の老夫婦に会っただけです。TさんもSさんも花に見とれ、カメラを向けながら、のんびりと歩きました。ここでは、Tさん先に一人で歩いて行ったりしません。
Tさんは「サングラスをかけると国籍不明になるらしい」、といいます。「日本人の女性から『グーテンターク』と挨拶されたから、『こんにちわ!』って言ったらびっくりしてたよ」、ですって。その女性はあの詩編の聖句をきざんだ碑があるところでSさんにカメラのシャッターを押してほしいと頼んだ人ではないかしら? この山羊さんはSさん夫婦が道が分からなくなって、行ったり来たりしているときに会いました。くいにつながれていました。
バスどおりにでました。こんな道歩きたくないと思いながらも仕方なく歩いているとレストランがありました。止まっていたバスが発車するのが見えました。 Sさんはレストランに入って食事をしようとTさんを誘うのですが、今時分食べたら夕食がおいしくなくなると言って反対されました。仕方がない、バスもでてしまったことだし、歩くしかないと覚悟を決めたら、Tさんがバス停の少し先の左側に下っていく道を見つけていました。結構面白い道でSさんは気に入りましたが、Tさんは少しきつい道だと言います。
二人の意見はよく分かれます。 Sさんにとって楽しい道でしたから、元気が出ました。でもやはり疲れて、リフト乗り場に着いたときは、もう音をあげてリフトでおりようと提案しました。もちろんTさんも疲れていましたからここでは問題なくリフトに乗ることになったのです。 このボルトから下までは4年前に歩いたことがあります。あの距離を思うと、リフトが正解だったとSさんは思いました。結局、下まで歩く夢は消えました。 |