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二十五夜の月
ー丘のうえの小さな写真館前ー二十五夜の月
19才で望遠鏡を買ってから、15年が経った今ようやくぼくは望遠鏡を使って月の写真を撮影することに没頭できるようになった。この8月の一ヶ月間ぼくたちは昼と夜の時間を入れ代えて、星と月の撮影に没頭してきました。こんなに何もかも忘れて、星と月だけに没頭したのは初めてのことで、本当に夢を見ているように時間が過ぎていきました。この作品もその夢の中の途上で写したもので、月の出を完全に狙って夜中過ぎに海まで車を走らせたときのものですうっすらと薄い雲はあったもののいつもは必ずある水平線上の厚い雲はなく、望遠鏡を組み立てているその最中に、月は予想通りの位置に真っ赤なその姿を現しました。二人がかりで、猛スピードで望遠鏡を組み上げ、急いで撮影にかかりましたが、あまりに暗くカメラの露出計はまったく動きません。こうなると経験と感しか頼るものがないのですが、ぼくは2秒、4秒、8秒(感度200)の3通りの露出をかけつづけました。月の出のその瞬間は大気の影響で日の出の太陽がゆがむように、ぐしゃっとゆがんで見えました。この日は大気の揺らぎはほとんどなく月の撮影には絶好の夜でしたので、ぼくたちはそのままお日様が昇るまで、撮影をつづけました。これを撮影した海辺は、少々ごみが目立つものの磯と磯の間に堆積した小さな砂浜でちょうど隠れ家のようになっていて、なかなか好みの海辺です。砂浜にほんの少し玉石が混ざった小さな砂浜で、気持ちよく写したうちの一枚です。
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